2004年09月  公取委が「ガソリンの流通実態に関する調査報告書」を発表



 公取委が「ガソリンの流通実態に関する調査報告書」を発表
 
    不当廉売や差別対価など不公正取引の防止を求めてきた全石連・油政連の運動の中で、公取委による石油流通の詳細な実態調査は業界の特殊性を理解する上で欠かせないものとして繰り返して要望してきた。公取委は2003年末から元売各社の調査を開始、販売業界、商社など多数の業界関係者に接触するなど、約10ヵ月にわたる総合的調査を実施し、「ガソリンの流通実態に関する調査報告書」を発表した。
 報告書は書面調査、ヒアリング調査による石油流通業界の現状分析と、その分析をもとにした独禁法上の問題点の指摘で構成されているが、公取委が注目したのは不当廉売や優越的地位の濫用などの主要因とされるガソリン業転玉の流通実態と、元売と系列特約店などの取引関係。  業転玉に関しては、元売の多くが商社経由で業転玉を販売しているものの、自社の業転玉販売が表面化することを恐れて出所を明らかにしないよう商社に依頼しているケースなどがあることが判明。また、元売は系列特約店に対して商標権の侵害などを理由にその販売を禁止しているが、実際の対応は「(業転玉販売を)知っていても黙認している」が全体の49%を占めていることも明らかになった。
 こうした実態をもとに公取委は、元売が系列特約店の業転玉取り扱いに関し、「商標権を恣意的、差別的に行使し、不利に扱われた業者の競争機能に直接かつ重大な影響を及ぼす場合」などは独禁法上の問題となり得ると警告した(図参照)。系列特約店間の仕切格差についても、同じような取引内容にも関わらず、著しい相違がある場合などは差別対価や差別的扱いに該当する恐れがあると指摘した。
 元売と系列特約店の取引条件については、自社の仕切価格の決定方式について、「分からない」と答えた系列特約店が73%にも達した。元売出資子会社に対する赤字補填のための事後調整なども一部見られることから、元売に、取引条件の不透明性は系列特約店の自主経営や市場メカニズムの形成を阻害するとして、契約などの際に十分説明するよう求めた。また、系列特約店側に対しても、「元売からの十分な情報提供が行われた場合、販売強化やほかの特約店などとの共同購入などにより仕入価格の低減を図り、自主的な企業努力を行うべき」と求めた。