2004年11月  環境税導入阻止へ全国で運動展開



 環境税導入阻止へ全国で運動展開
 
    環境省は2004年11月5日、ガソリンや灯・軽油などすべての化石燃料と電気に対して新税を単純上乗せする「環境税」の具体案を発表した。課税額はガソリンが1リットル当たり1.52円、灯油が0.82円、軽油が0.86円などで、既存のガソリン税と同様に石油精製会社からの出荷段階で課税するもの。国会審議を経て2006年1月から実施する構想となっていた。環境省は、同日行われた自民党の環境基本問題調査会で同案を説明したが、出席議員からは厳しい指摘が相次ぐなど与党をはじめ政府部内でも導入に反対する意見が多く出された。石油業界はすでに巨額の税金が課せられている石油製品へのさらなる新税導入に対し「絶対導入阻止」の強い姿勢で臨む方針で、全石連、油政連も4日、これまでの運動をより強化するため「環境税導入阻止対策本部」を設置、石油販売業界全体をあげて反対運動を展開した。
 これに伴い各地で環境税導入に反対する陳情運動が活発に行われた。全国都道府県の石油組合及び支部が続々と反対の意思を表明し、また、全国の油政連組織と一丸となってそれぞれの地区で反対運動を展開した。また、90名にのぼる「一木会」と「ガソリンスタンドを考える若手議員の会」メンバーもそのほとんどが石油販売業界の実情に理解を示し、導入反対に動き、環境税案に疑問を持つ自民党の若手議員が11日、「経済発展と環境を考える会」を設立した。
 さらに全石連は機関紙「ぜんせき」に「環境税導入反対ポスター」を折り込み、各給油所店頭に掲出するなど、消費者にも理解を求める運動を展開した(写真)。
 全石連と油政連、石油連盟などエネルギー関係7団体は16日、自民党に対し、環境税導入案に断固反対していくことを申し入れた。2005年度税制改正要望として正式に要望したものだが、各団体とも環境税案への反対を最重点項目として訴えた。
 さらに、25日に自民党の環境部会と農林水産部会が環境省の環境税案をベースに独自案をまとめ、自民党税制調査会に提出する方針を決めたことを受け、同日、全石連と油政連は全国の組織に改めて地元選出国会議員への働きかけを要請。さらに「若手議員の会」の渡辺博道事務局長とともに津島雄二税調会長を訪問し、「全国のSS業界は新税導入に絶対反対する」と訴えた。これに対し同会長は、「この環境税案には税調会長として極めて慎重に臨む」と述べ、石油販売業界の税転嫁の困難さなどに強い理解を示した。
 その後も、全石連、油政連は全国の組織を挙げて「“環境”に名を借りた新税」に反対する運動を展開し、各地区で地元推薦議員に対し導入阻止を訴えることで、賛同する議員の数を増やし、自民党内での議論でも導入推進派を抑え込んだ。その結果、自民党税制調査会が15日に決定した税制改正大綱では、「政策的手法を総合的に検討した結果を受けて、必要に応じ検討する」旨が明記され、来年度の導入は見送られることとなった。