2004年12月  経済界・産業界の反対で環境税導入見送りへ



 経済界・産業界の反対で環境税導入見送りへ
 
    自民党税制調査会での環境税議論が激しさを増す中、経団連や日本商工会議所など約60の団体が12月9日に、自民党本部に近いキャピトル東急ホテルで「『環境』に名を借りた新税反対総決起大会」を開催した。参加人数1,000人を超す大決起集会となった。与党国会議員に対し、産業界、中小企業団体などの導入反対の声を直接伝えることで、自民党税制調査会の2005年度の税制改正大綱での導入を阻止するのが狙い。
 国会議員も54人が出席し、「『環境』に名を借りた新税反対総決起大会」は熱気に包まれた。全石連と石油連盟も主要団体として参画し、両団体合わせて100人を動員。財源確保を目的に石油製品にターゲットを絞った新税構想に「絶対反対」を訴えた。
 主催者を代表して日本経団連の山本一元環境安全委員会共同委員長が、「地球温暖化対策は非常に大切で、国民、政府がともに尽力すべき課題。いままでの産業界などのCO2削減努力を評価せず、安易な新税で解決しようという考え方には断固反対である」と訴えた。
 国会議員を代表して望月義夫自民党経済産業部会長が、「環境に名を借りた単なる増税案だ。風水害、地震などにかこつけて税金を取るという筋の悪い税金案であり、断固粉砕すべく臨む」と力強く発言。公明党の松あきら経済産業部会長も「安易な増税で、企業、国民の負担を求めることは間違っている。断固反対する」と述べた。
 自民党からは野田毅石油等資源・エネルギー調査会長、尾身幸次経済活性化税制議員連盟会長、井上喜一環境税について考える会会長、桜田義孝経済発展と環境を考える会会長らが次々に登壇し、新税構想の粉砕を強調した。
 自民党税調の副会長でもある甘利明中小企業調査会長は、「ここに参加した議員が本当の意味で地球環境を真剣に考えている議員である」と紹介したうえで、「日本は石油石炭税という事実上の炭素税を設け、世界の最先端を走っている。環境に名を借りた冠税制より、みんなの協力を積み上げて省エネ対策を行うのが国民の理解を最も得られる方法だ」と訴えた。
 この結果、自民党税制調査会は12月15日、2005年度税制改正大綱を決定したが、「環境税」については、17年度の導入は見送られることとなった。自民党税制改正大綱には「京都議定書の発効とそれに伴うわが国の責任を踏まえ、地球温暖化対策推進大綱の評価、見直しも考慮しつつ、環境と経済の両立を図ることが重要」とし、そのために「あらゆる政策的手法を総合的に検討した結果を受けて、いわゆる環境税については、必要に応じ、あるべき姿について早急に検討する」と記載された。
 大綱に「導入に向けて1年以内の結論」などの文言を入れるよう強硬に求めた自民環境部会の要求を却下するだけでなく、環境と経済の両立を強調するとともに、税調で議論する前に政策的手法を総合的に検討するよう求めている。環境税の議論は、その後の問題として「必要に応じて」検討することになる。いわゆる導入反対派が主張した「税ありきの議論は論外」とする反論を採用した格好だ。


約1,000人が結集して新税導入反対を訴えた総決起大会