2005年05月  「巧妙化する軽油脱税」、「役員は、末端組合員の代表である自覚を」



 巧妙化する軽油脱税
 
    近畿圏内の県境をまたぐ大掛かりな不正軽油事案が税務当局の粘り強い調査で次々と摘発され、悪質化、巧妙化する脱税手口や摘発にいたる経過が明らかになりつつある。
 一般的に不正軽油事案は常習性の強い犯罪と言われる。大掛かりな事案には、資金、ノウハウなどを提供し、自らは決して表に出てこない黒幕的な人物がいて、いくつもの事案に関与している可能性が指摘されている。
 最近ではそうした黒幕的な存在からいくつにも枝分かれした密造業者や販売業者が、経営に行き詰まった工場などで失業者、不法滞在外国人などに実働者として製造、販売の実行的役割を担わせているのが常だともいわれる。
 こうした黒幕的存在は、事案を重ねるごとに都道府県の税務当局の調査・摘発の手法を学習し、その網の目をくぐるような巧妙な手口を編み出している。
 以前は人家から離れた工場や倉庫で行われきた軽油の密造も、クマリン除去装置が4トントラックがあればどこへでも移動可能なことから、最近では工業団地や住宅地で行われることも多く、中には、港湾施設駐車場に不正軽油製造施設が設置される事例もあった。
 さらに移動を繰り返す手口では、トラックの荷台やコンテナ車、ローリー車内に製造装置を設置し、日々移動しながら調査をかわす業者まで現れている。数台のトラックに積載した装置を連結して初めて製造装置となり、連結しない状態ではわからないものまであった。
 巧妙化、悪質化、常習性が進む背景には、「作れば売れる」、「大儲けができる」という神話が根底にあるようで、黒幕を儲けさせないためには需要家、販売業者のモラルが問われている。





 
 役員は、末端組合員の代表である自覚を
 
    全石連は5月27日、札幌で総会を開き、関執行部4期目後半のスタートを切った。47都道府県の全石油組合の総(代)会を終え、石油販売業界の平成17年度総会の集大成だ。総会は過去1年間の活動を総括し、現在そして近未来の環境を分析、組織活動の指針を確定する場であり、言い換えれば、活動をリセットする場ともなる。
 全石連が活動方針を要約して会場に掲げるスローガンは、メインの「組合活動を通じて経営を改革しよう」。そして、6本の個別スローガンを披露する。「量から質への転換」、「環境に配慮したSS経営」、「地域社会からの信頼獲得」など、いずれも販売業界にとって直面する課題ばかりだ。これらを単なる“お題目”に終わらせるようなことになれば、総会に出席する代表者は、組合員への責務を果たせないことになる。約2万4,000人の組合員のほとんどが総会には出席しない。その代理として、参加することを自覚してほしい。
 総会には、渡石油連盟会長をはじめとする元売のトップも参加する。系列を超え、各社のトップが顔を揃える唯一の機会が、全石連の総会である。総会を一種の祭典として、美辞麗句で埋めるのも結構かもしれない。しかし、そのようなよき時代は、10年前の規制緩和に終わっているはずである。販売業界と元売がともに会する総会は両者の関係を伺わせる場面ともなる。どちらが主でも従でもなく、ともに石油産業の担い手であるという建前を事実にするためには、双方が明確な意思表明をしなければならない。「是は是、非は非」であることを明確にしないで、相互理解、信頼は生まれない。
 また、総会には政界や官界からも要人が参加する。これらの人々がなぜわれわれの総会に出席するのかをしっかり自覚したい。石油という現代社会にあって、極めて重要な物資を全国4万5,000ヵ所という膨大な組合員給油所のネットワークを通じて供給する“事業”は電力やガス事業に勝るとも劣らない。その“事業”に参加していることの意味は大きく、それに敬意を表するため要人は参加する。総会はわれわれが置かれている立場を改めて知る場でもある。
 そのような総会に全国の組合員が視線を注いでいることを自覚して、参加してほしい。