2005年07月  車検ビジネスによる従業員育成



 車検ビジネスによる従業員育成
―高度化事例報告会での滋賀SS活性化研究会代表・尾賀氏発言より
 
    いま、滋賀県の石油市場は全国でも知られた激戦地。まさしく過当競争が行き過ぎた。燃料屋が燃料で食べていけない異常事態でなんとも寂しい。
 しかし企業としては使命がある。単に儲けるというのではなく、社会に対する有用性、社員を守る、そしてその社員が社会に貢献できること。わたしとしては社員がお客さんに「ありがとう」と言ってもらえるということが、その社員に夢を与え、成長させていくことになると感じていた。
 そこで高度化事業を使おうと思った。最初は事業内容を全く知らなかったが、三重県の同業者の方から人材育成について事業を活用している事例を教えていただき、これは良いと実感した。
 社員をどう成長させていくか。お客さんから「ありがとう」と言われるため、アフターマーケット、中でも「車検」を考えた。そのためには人材を育てなければならない。そこで高度化事業を知るため石油協会のホームページで条件などを調べ、協会にも何度も聞いた。
 仲間を誘い組織ができ具体的になにをするか。そこで社員教育として車検を獲るテクニックに絞った。そのことできれいごとでなく社員が自立した仕事をして、お客さんから「ありがとう」と言われる人間にしてあげたい。この仕事をして良かったと思えるようにしたいと思った。もちろんそろばん勘定もあったが、収益を確保するための人間力を得ることと、感謝される人間を育てるロマンが車検を題材に高度化事業に取り組んだ理由といえる。
 事業に取り組んだ期間はスケジュール的に忙しかったが、一気に行った。一番の困難は参加させる社員のローテーションだった。朝から晩まで続けての研修で、給油所でのローテーションを一部切り替え、社員には自分たちのためになると納得してもらった。
 研修内容は座学から始まり実技では車を部品の一つひとつまでバラバラにし、組み立て直した。
 その後のロールプレイングで専門家が試験を行い、容赦なく社員を落とした。しかし、結果として優秀な社員が落ちた社員を夜遅くまで教えるという姿を見て、その絆ができたことに感動した。
 研修の結果はどうだったか。車検実績は伸びたが、正直言って目に見えてというほど伸びたとはいえない。しかし、一つの効果としてお客さんに説得力のあるセールストークができるようになった。ロールプレイングでお客さんとの会話、話法をいく度も学んだことは確実に習得され、質的なメリットは確実にあった。
 このほど自社の給油所を改装し車検棟を造り、車検と車販に力を入れることにしたが、車検棟を造ることを決断できたのには人材があるということがあった。これを石にかじりついても指定工場にしていきたい。この研修の成果を実現することがわたしの使命と感じている。

尾賀康裕滋賀SS活性化研究会代表(高度化事例報告会にて)