2005年12月  安定供給は「想定内」の課題



 安定供給は「想定内」の課題
 
    2005年の流行語大賞に選ばれたのは「想定内(外)」だが、石油業界の「想定内(外)」はなんだったのだろうか。
 「想定外」の第1位はなんといってもドル建てで史上最高値を記録した原油価格だろう。第1次石油危機を契機にメジャーから産油国の時代となり、先物市場の登場で市場の時代に移ったが、05年の高騰は原油需給の逼迫のほか、アメリカを襲った100年に1度の自然災害というアクシデント、それによって露呈した同国の精製能力の脆弱さ、そして、これらの価格変動要因を最大限利用したファンドなどの“複合要因”によって発生した。高止まりの予測はあったが、WTIの70ドル、ドバイの60ドルをだれが想定しただろうか。
 石油製品価格も上昇し、レギュラーはほぼ14年ぶりの130円台となった。価格上昇によって消費行動が変化するかどうか注目されていたが、代替商品のないものだけに目立った減販はなかったものの、定額給油、セルフの拡大という現象を招いた。セルフはここ1~2年、増加スピードが鈍り、1割シェアが一つの壁になっていると考えられていたが、ガソリン価格の上昇がセルフの“追い風”となりつつある。再びセルフが勢いを増すと考えた人も少なかったのではないか。その意味では、「想定外」の一つに数えられるかもしれない。
 資源エネルギー庁が毎年行っている「元売ヒアリング」の中で、04年に比べ仕切り格差が広がっていることがわかった。これまで徐々に格差が縮小していたが、一転しての拡大である。販社やフリートの廉売から推測すると「想定内」だが、その意味するところは大きく、想像を超える事態を招く要因になりかねない。
 05年3月末の登録給油所はついに5万ヵ所を割り込んだ。過去10年、年間1,000ヵ所前後の減少が続き、「想定内」だとしても極めて危険な領域に入りつつあると言わざるを得ない。一部に指摘されていた“無給油所地区”によるエネルギーの安定供給の途絶という心配が現実のものとなりかねない。経済合理性からすれば、販売量の少ない地域からの撤退を批判できないが、高齢者または独居世帯への灯油の宅配機能などが喪失されることを放置していいのか。それこそ石油業界として、当面の「想定内」の課題として取り上げなければならない。