2006年03月  Jエナジー・松下次期社長「CS(顧客満足)経営の実現目指す」



 Jエナジー・松下次期社長「CS(顧客満足)経営の実現目指す」
 
    ジャパンエナジーの新社長として、リテール販売部を管掌している松下功夫取締役専務執行役員の昇格が内定、6月26日付け予定で正式就任する。内定会見では高萩光紀現社長から「取引先の信頼が厚く、発想も柔軟で倫理観の高い方」と評された。2006年のJOMOキャッチフレーズは「CS(顧客満足)経営元年」。バトンタッチまであと3ヵ月弱を残しているが、その間、リテール販売のリーダーとしてCS経営の実践に指揮を取り、トップ就任後も高萩路線を継承して現場主義でありたいと意気上がる松下氏に話を聞いた。
 -業績が好調だが
 06年3月期はジャパンエナジーグループで960億円の経常利益を予想しているが、その過半は在庫評価益。燃料油部門の中身で収益の底上げを図る必要がある。
 -石油産業の業況分析
 精製面では、あらゆる形で徹底した効率化やコスト削減を進めることが永遠のテーマだ。販売面では、需要がいつまでも伸びていくわけではないので、給油所数は効率という観点で見ても競争力がなければ撤退せざるを得ず、まだその状態が続くと思う。
 -内定会見時に他社との差別化戦略として、価格を下げて競争する時代ではないと言われた。CS経営元年、顧客第一主義をどう実現するのか
 全社を挙げて、卸業者的な思考ではなく「小売マインド」を持った会社・組織・人づくりに真正面から取り組み、その人材を100%使い切る。差別化といって価格競争を仕掛ければ隣の給油所も必ず下げてくるし、セルフ化などの設備対応をしても対抗され得る。絶対的な差をつけることができるのは顧客第一主義のサービスだけ。それこそが、われわれが目指すCS経営だ。具体的には、ハードとしてバリュースタイルを推し進めていく。導入給油所は現在約400ヵ所だが、06年度末には1,000ヵ所程度まで増やしたい。一方、ソフトではより積極的に教育や人材開発に取り組んでいく。
 -特約店・販売店政策について
 「チームJOMO」として、われわれと特約店・販売店が一体になって成長を目指すのが基本だ。CS経営を実現するため、少しでもみなさんのお役に立てるよう、同じ目線でいろいろなソフトを作り上げたい。給油所減少は市場全体としての傾向ではあるが、大きいから生き残るとか、小さいから生き残れないということでなく、地域社会に根差した経営を実践している給油所を後押ししたい。
 -子会社のスタンスと、商社・広域業者との関係
 子会社の生い立ちは、そもそも経営が苦しくなった特約店の強化や営業の継承にあった。みなさんと同様に、競争力のある会社・給油所にしていかなければならない。元々が厳しい出発点から立ち上がっているので、一つ一つをきちんとしていく必要があると考えている。また、商社や広域業者とも長く信頼関係が続いている。それが変わらざるを得ないような状況にあるとは思っていない。
 -成長戦略の中で、給油所への設備投資は
 設備更新の必要投資は当然ながら続けていく。新設給油所は設備投資を短期間で回収するのが理想なので、厳しい基準を設けている。
 -富士石油との関係変化の影響
 06年度の調達関連は全量めどをつけた。自社設備での増産を軸にしながら、富士石油や他社からの調達で対応する考えである。
 -昭和シェル石油との連携について
 長い間積み上げてきたものなので、物流やバーターを含めて関係が変わるとは考えていない。また、一部の製品は昭和シェルから調達することになる。
 -石油業界が一丸となり石油諸税の一般財源化反対、暫定税率撤廃の運動を展開中だ
 目標達成に向けて社内でもはっぱをかけている。税制上、石油に重い負担がかかっていることは否めない。イコールフッティングであるべきだ。
 -趣味は
 温泉巡りで、山の中の一軒宿やいわゆる秘湯に訪れること。たまには仲間に渓流釣りへ連れて行ってもらうこともある。
 -最後にメッセージを
 業界を取り巻く環境は原油が高止まりしている状況なのでコスト的にも厳しい。自助努力で競争力をつけるしかない。そのために、コスト削減も必要だが、やはり「量より質」のマインドに切り替えていくことが重要だ。われわれもその考えで動いていくので、ぜひ一緒にやっていただきたい。

松下功夫(まつした・いさお)氏 1947年4月3日生まれ、59歳。
静岡県出身。70年東京大学教育学部卒。同年日本鉱業入社。
96年ジャパンエナジー石油海外部長。2001年執行役員。
03年新日鉱ホールディングス常務取締役。
04年ジャパンエナジー取締役常務執行役員。05年現職。