2006年06月  東京都議会が「ガソリン公正取引」で意見書議決



 東京都議会が「ガソリン公正取引」で意見書議決
 
    東京都議会は6月21日開いた定例会本会議で「ガソリン等の取引に関する意見書」を議決した。「意見書」は地方自治法第99条の規定に基づき、「公益」に関する事件について都議会の意見を国会や行政庁に提出するもので、石油業界における公正競争の確保を強く求める意見書が出されたのは全国で初めて。意見書は同日、川島忠一議長名で衆・参議院両議長、内閣総理大臣、総務大臣、経済産業大臣、経済財政政策担当大臣宛てに送られた。
 全国最大の地方公共団体である東京都を代表する都議会で議決された「意見書」は、この10年間で都内給油所数が3割以上も減少、その理由として、卸売価格の決定方法や発券店値付けカードの給油代行手数料の決定方法について、「中小ガソリン販売業者が不利な状況に置かれている」実態が都の独自調査から明らかになったとしている。また、公正取引委員会の調査でも卸価格差やその決定方法に不透明なケースがあることが指摘されていると言及。中小ガソリン販売業者の減少は「一般消費者や地域コミュニティーに取り返しのつかない損失を与えることになりかねず、一刻も早い対応が求められる」として、国と政府に対し、「公正な競争が確保されるよう、ガソリン販売業界に対する監視を強化するとともに、業界の実情を速やかに把握し、必要な是正措置等を講じるよう強く要請する」と訴えた。


◆ガソリン等の取引に関する意見書◆

 近年、ガソリン販売業界では、石油製品の輸入自由化など規制緩和が進み、異業種の参入や石油元売会社直営のガソリンスタンド展開の拡大などによって、ガソリンスタンド間の競争が激化している、また、仕入れ価格の上昇等の影響も受けて、都内の中小ガソリン販売業者の経営環境は厳しさを増しており、最近10年間で都内のガソリンスタンド数は3割以上も減少し、平成16年度末には、ついに2,000ヵ所を下回る状況になっている。
 こうした厳しい状況に至った要因として、中小ガソリン販売業界からは、石油元売会社が子会社を不当に優遇し、地元の中小ガソリン販売業者が競争できないほどの低価格で販売する実態があり、不当廉売や差別対価、優越的地位の濫用などに当たる構造的な問題であるとの声も数多く寄せられている。
 また、先に実施した東京都の調査において、卸売価格の決定方法や、近年取扱いが増加している「発券店値付カード」に係る給油代行手数料の決定方法について、中小ガソリン販売業者が不利な状況に置かれているなど、ガソリン取引の実態が明らかとなっている。さらに、公正取引委員会が行った調査によっても、石油元売会社の卸売価格に差があることや卸売価格決定方法に不透明なケースがあることなどが指摘されている。
 中小ガソリン販売業者は、都内経済の活性化や車を利用する一般消費者の利便性確保に大きく貢献している。また、経済的活動だけでなく、防災対策や防犯対策など、地域コミュニティーの維持にも重要な役割を果たしている。
 中小ガソリン販売業者の減少は、こうした一般消費者や地域コミュニティーに取り返しのつかない損失を与えることになりかねず、一刻も早い対応が求められるところである。
よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、公正な競争が可能な市場が確保されるよう、ガソリン販売業界に対する監視を強化するとともに、業界の実情を速やかに把握し、必要な是正措置等を講じるよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成18年6月21日
東京都議会議長 川 島 忠 一