2009年06月  改正独占禁止法が成立



 改正独占禁止法が成立
 
    不当廉売などの不公正取引に対し課徴金を課すことを盛り込んだ独占禁止法改正案が6月3日の参議院本会議で可決・成立した。今後、不当廉売や差別対価などで10年以内に同一の違反行為で、再度、排除措置命令を受けた場合、その事業者に課徴金が課されることになった。また、差止訴訟における文書提出命令の特則の導入も決まった。1年以内に施行される。参議院採決に際しての付帯決議では、ガイドラインの作成などによって違反行為に関する構成要件を明確かつ具体的に示すよう求めた。全石連と油政連が初めて課徴金の導入を訴えたのが2004年。5年にわたって続けた石油販売業界の要望運動が実を結んだ。
 成立した改正独禁法には不当な取引制限などの罪に対する懲役刑の引き上げ、企業結合規制の見直しなども含まれているが、最も大きな改正は課徴金制度の見直し。これまで談合やカルテルに限っていた課徴金の適用範囲を①排除型私的独占②不当廉売、差別対価、共同の取引拒絶、再販売価格の拘束に関し同一の違反行為を繰り返した場合③優越的地位の濫用、に拡大したもの。
 具体的には不当廉売などで排除措置命令を受けた事業者が10年以内に、同じ行為で再び排除措置命令を受けた際に課徴金が課せられることになる。この場合の小売業者の課徴金額は、違反行為期間中の対象商品の売上額の2%となる。
 規制緩和を機に採算を無視した安売り競争が激化し、石油流通市場では不当廉売として公正取引委員会から「排除措置命令」をはじめ「警告」「注意」を受ける事業者が増えている。しかし、「警告」を受けた廉売業者などは公表されたことを逆に宣伝に使うケースもみられたことから、全石連・油政連は「通知や公表の処分では抑止効果がない」として課徴金などによる罰則強化を訴えた。07年夏にはおよそ20万人の全国の石油販売業者や従業員による署名をもとに要望運動を実施し、公取委や国会議員にその実現を訴えた。
 一方、不当廉売や差別対価などに関する差止請求訴訟において、被害を受ける中小事業者がその違反事実を立証することが困難なことから、全石連は「裁判所が営業秘密などを含む文書の提出を命令し、それをもとに事実関係を確認できるようにすべき」と訴え、今回の改正でその要望も採り入れられた。
 全石連・油政連は現在、2002年前に公取委により示された「ガソリン不当廉売等ガイドライン」の改定を求めているが、今回の法改正の衆・参両院での採決に際し、「ガイドラインの作成などによって、構成要件がより明確かつ具体的に示されるよう十分配慮しつつ、規制措置の積極的な運用を図ること」とする付帯決議が行われた。