2010年4月


 

「新仕切り」に評価二分
 
 

 石油情報センターが資源エネルギー庁の委託を受けて取りまとめた2009年度給油所経営・構造改善等実態調査報告書が公表された。それによると、08年10月以降、元売各社が相次いで導入した新価格体系による市況の変化について、販売業者は、卸価格の透明性や次週の卸価格の予見性について評価しているものの、コスト転嫁不足による経営悪化に危機感を訴える声が多かった。一方で最近1年間に系列外仕入れをした経験が「ある」が前年度に比べ減少。また、仕切価格の格差は「業転との格差」が最も強く認識され、次いで「系列内の格差」、「系列間の格差」となったが、前年度比でいずれも縮小し、新価格体系の導入による改善の兆しが現れている。
 新価格体系の導入による市況の変化については、「卸価格決定の透明性が向上した」(37%)、「次週の卸価格が予見」(35%)を評価するものの、需給要因や競争要因による「値上げ不足でマージンが悪化」との回答が55%となり、過当競争の激化による経営悪化に危機感を強めていることが浮き彫りになった。また、仕切価格の格差は「業転との格差」が71%を占め、次いで「系列内の格差」(38%)、「系列間の格差」(24%)となったが、前年度比でいずれも減少傾向にあり、改善の兆しが見える。
 新価格体系の定着によって、「市場価格のウォッチ、情報収集」や「小売価格への頻繁な転嫁」を経営上の課題として強く意識していることもわかった。
 系列販売は「必要」という回答は66%。2000年以降低下傾向を示していたが、今調査では前年度調査(61%)を上回った。系列販売のメリットについては「安定品質の保証」(71%)、「安定供給の保証」(56%)など、品質・供給を高く評価するものの、「ブランドによる差別化」は35%にとどまった。デメリットについては依然「仕入価格の高さ」(89%)が挙げられた。
 1年間に系列外仕入れをした経験が「ある」は52%と5割を超えたが、前年度比では1%と微減し、5年ぶりに下回った。今後系列外仕入れを行う意思が「ある」との回答も51%を占めたが、これまで「今後系列外仕入れを行う意思がある」という回答が「最近1年間で系列外仕入れをした経験がある」を上回ってきたが、今回初めて逆転した。
 今後の元売との取引関係については、前年度比べ「現状のままの契約関係にとどめる」(82%)が増え、「元売との取引関係強化」、「元売系列から離脱しプライベートブランドによる販売を行う」はいずれも減少。新価格体系の導入・定着化が元売との関係において“付かず離れず”という微妙な意識を与えていることがわかった。