2010年11月


 

民主党税制改正PT・温対税案「ガ、灯、軽に79銭/リットル課税」
 
 

 民主党税制改正プロジェクトチーム(PT)の地球温暖化対策税検討小委員会は11月24日、地球温暖化対策税の素案となる基本方針を明らかにした。エネルギー起源CO2の削減に向けて、ガソリンや灯・軽油など石油やガスにかかる石油石炭税を増税し、「地球温暖化対策のための税」として、約2,400億円の税収を確保する内容となっている。ガソリンや灯・軽油は0.79円/リットル値上がりすると試算している。ただ、基本方針には「税の導入によるガソリンと軽油の価格上昇を避けるため、免税・税率の引き下げ・還付等の所要の措置を講じるべき」とする一方、ガソリン税と軽油引取税の「当分の間」の税率(旧暫定税率)については、厳しい財政事情により、11年度は維持すべきとも記載されており、ガソリン・軽油の税率の引き下げや還付などが行われるかは微妙な情勢だ。この日の意見交換でも国民生活や産業界への影響から導入には反対意見があり、民主党税制調査会での議論は難航しそうだ。
 基本方針案では、6月に閣議決定したエネルギー基本計画に示された「CO2排出量を2030年に90年比30%削減する」ため、化石燃料のCO2排出量に応じて課税する仕組み。これによって、約2,400億円の税収を確保し、温暖化防止対策に活用する。
 民主党がこれまで暫定税率廃止を主張してきた経緯から、税導入によるガソリンと軽油の価格上昇を避けるため、免税や税率の引き下げ・還付などの所要の措置を講じるべきとしたものの、「旧暫定税率については厳しい財政事情から11年度は維持すべき」とするなど、税上昇分の引き下げや還付などの措置が講じられるかは、今後の党税調や政府税調での議論に先送りされた。
 意見交換では、「国際競争力が落ちる」(高邑勉・参比例中国)、「上乗せるという話は到底、納得できないし、国民に説明ができない」(山本剛正・衆比例九州)など、拙速な導入に反対意見が相次いだ。
 また、吉田治議員(衆大阪4区)が「引き下げ・還付等の所要の措置を講じるべきというのは、逆に税の複雑さを生み出す」、「価格転嫁という形で最終的には消費者のところに行き渡るスキームを作るのか」と、給油所の流通段階での混乱を指摘。「ガソリン、軽油、灯油というのは、寒冷地や地方の生活にどれほどの打撃を与えるのか」と、税負担が地方や寒冷地に偏重する危険性を訴えた。このほか、近藤洋介議員(衆山形2区)は「流通での混乱に配慮すべき」と訴え、「4月から導入する必要もないし、いろいろな手法があるはず」と、導入の延期や段階的な引き上げなども問題提起した。

 

石油石炭税増税の基本方針を説明する中塚委員長(中央)