2011年5月


 

エネ研分析・火力発電向け需要上ぶれ ガ需給に不安増幅
 
 

 日本エネルギー経済研究所は5月23日、東日本大震災による石油需要への影響についてまとめた。鹿島製油所(日量25.25万バレル)の6月初旬生産再開や元売各社の製品輸出の再開、民間備蓄義務引き下げ終了など、「石油供給体制は震災前の状態へ戻りつつある」とした。また、中部電力浜岡原子力発電所の稼働停止や東京電力広野火力発電所の夏以降の稼働を踏まえた発電用の石油製品需要増加は、2009年度比日量14~16万バレル(約2.2~2.6万キロリットル)増加するとの見通しを示した。
 震災によって生産・入出荷設備などを被災した鹿島製油所は6月初旬に生産を再開することがこのほど明らかになった。エネ研では震災の影響で稼働を停止している製油所はJX日鉱日石エネルギーの仙台とコスモ石油の千葉の2ヵ所のみとなり、「国内の精製能力の約90%が生産可能な状況になる」と分析した。
 また、資源エネルギー庁は20日に、3月14日から継続していた民間備蓄義務引き下げを終了し、21日から備蓄義務日数を70日に戻すことを発表している。
 一方、震災以降国内の製品供給確保のため、停止されていた石油製品輸出も徐々に再開されている。石油連盟の週報によると、5月8~14日でジェット燃料や軽油、高硫黄C重油を中心に計約40万キロリットルの製品輸出がなされ、「前年同期(10年5月9~15日)の輸出量約43万キロリットルの水準に近づきつつある」とした。今後の動向についても「中国市場においては最近、経済活動の好調ぶりを反映して軽油需要の増加が著しく、中間留分を中心とした輸出が続けられていく」と推測した。
 一方、発電用の石油需要を巡る状況についてはエネ研では4月26日に09年度比で日量11~14万バレル(約1.8~2.2万キロリットル)増加するとの見通しを示していたが、浜岡原発の停止や広野火力の再開など、発電用の石油需要増につながる新たな状況変化が見られることから、「14~16万バレル(約2.2~2.6万キロリットル)の需要増加になる」と上方修正した。